
地域活性化のための取り組みとして、自治体がクーポンを利用した施策を打つことも珍しくはありません。
近年では、新型コロナウイルスや物価高騰に対する経済対策として、お得なクーポンを販売・配布する市区町村が多く見受けられます。
在住者限定で購入できることが多く、対象店舗も市区町村内だけに限られているクーポンが過半数です。
このような条件をつけることで、自治体の中だけでお金を循環させる地域活性化システムを構築できるのです。
また、クーポンや商品券を景品にしたイベントを開催するなど、独自の施策を打ち出している市町村もあります。
クーポンを使った町おこしの代表例といえば、プレミアム付き商品券です。
例えば、1万円分購入すると、市区町村内の対象店舗で1万2千円分の利用ができるクーポンが挙げられます。
プレミアム分の2千円を地域活性化費用として自治体が補助することから、購入者と販売店舗の両方にメリットがあります。
プレミアム商品券以外にも、クーポンを使った独自の町おこしに取り組んでいる市区町村があります。
ここからは、独自の施策を打ち出した3つの市区町村について、クーポン活用事例をご紹介します。
城東まつり(区民祭り)と連携してクーポンを利用した事例です。
1冊(5枚つづり)3,000円分を購入すると、チケット1枚あたり800円分の商品券として利用できる、つまり1,000円分お得に買い物ができる「じょうとーくん」クーポンを販売。
城東区周辺の店舗が116店も出店する上に、祭りへの参加者も多いので、大きな経済効果を挙げたことで話題となります。
クーポンによって消費を促すことはもちろん、連動させた地域活性化イベントの「城東な夏2014」を開催したことで、さらに相乗効果が生まれました。
プレゼントがもらえるクイズ企画などを行うことにより、城東まつり自体の動員数増加にも貢献したのです。
三芳町に住民登録がある人限定で配布されたクーポンです。
A券とB券のセット配布で、内容は下記の通りです。
券種 | 使える店舗 |
---|---|
A券 |
加盟店全店舗で利用可能 |
B券 |
大型店※等以外の加盟店のみ利用可能 |
コロナの影響を受けた地域経済活性化のための施策であることから、より多くの店舗で利用されるように券種設定という工夫がしてありました。
券種が決められていると、利用店舗にばらつきが出にくいため、地元企業を平等に活性化させられます。
利用されるお店が大型店舗に偏ってしまうリスクも防げるので、A券とB券の2種類を発行するのは賢いアイデアですね。
熱海市では、釣った魚を「市内で使えるクーポン券」と引き換えられる取り組みが行われました。
この施策で得られた主なメリットは以下の3つです。
引き換えたクーポンは、熱海市内の飲食店や温泉などで自由に利用できます。
現金ではなく地域クーポンにすることで、熱海以外の地域にお金が流れてしまうことを防ぐことにも成功しています。
市民や観光客がお得に楽しめるだけでなく、魚不足の市場も救えるので、一石二鳥のクーポン施策です。
クーポン券を使った町おこしの事例を3つご紹介しました。
自治体だけでなく住民にとってもメリットが大きいので、お得に利用できる機会を逃さないようにしてくださいね。
クーポンの販売状況は市区町村によって異なるため、公式サイトなどを定期的にチェックすることをおすすめします。
また、地方活性化の収入源となっているふるさと納税についても知識を深めると、よりお得になるでしょう。